2025年1月24日の会見で、日銀は政策金利を0.5%程度に引き上げる追加の利上げを決定しました。
0.5%程度という政策金利は2008年10月以来、17年ぶりの高い水準ということです。
※NHKニュースで紹介されている詳しい記事はこちら
2025年に入ってから、米国のトランプ大統領就任や今回の金利引き上げなど
株価や為替に影響する可能性のある出来事が増えてきています。
今回は金利上昇による、株価と為替への影響について解説していきたいと思います。
- 国内株式の株価は今後下落する可能性あり
- 国内の株式市場が金利上昇を織り込み済みの場合は影響が小さい可能性も
- 為替相場は円高の傾向になる可能性あり
- 円高に転じた場合は、外国株式の損益が悪化する可能性あり
「株価」と「為替」のそれぞれの面から影響を考えていきたいと思いますので、
ぜひ最後まで読んでみてください。
金利引き上げの背景
冒頭で紹介した記事の中で、金利引き上げの背景は以下のように紹介されています。
- 2%の『物価安定の目標』に向け 徐々に高まっている
- 経済・物価の見通し実現すれば引き続き金利を引き上げ
- 中立金利「0.5%になったとしても相応の距離」
2022年からロシアによるウクライナ侵攻の影響によって輸入物価が高騰したことによる
「コストプッシュ型」の物価上昇が始まりました。
2025年現在もその影響は続いています。
2023年からは、その物価上昇への対応として各企業が過去最高レベルの「賃上げ」に踏み切りました。
2024年についても「賃上げ」の流れは続いているため、日銀としてもこの流れが継続するという前提で
利上げを決定したという背景もあります。
「賃上げ」による格差は広がっている
2023・2024年と過去最高の「賃上げ」をした企業は多いですが、
その多くは「大企業」で、「中小企業」については大企業ほどの賃上げをできていない
というのが現状です。
実績の数値では
- 大企業:約5%
- 中小企業:約4%
大企業と中小企業では、基本の賃金水準が違う状況に加えて
賃上げ率でも差がついてしまっているため、ますます格差が広がってしまったことになります。
私も中小企業に勤めている身ですので
そんな状況の中で利上げを進めていくことに対しては、少し疑問に思うところもあります。
利上げによる株価への影響
ここからは具体的な影響について解説していきます。
まずは「株価」への影響です。
「金利」と「株価」はシーソーの関係にある
一般的に金利が上がると株価は下がる傾向にあります。
- 金利上昇により企業は資金を調達しにくくなる
- 新しい設備投資などの活動が控えられるようになる
- 企業の業績に悪影響が出る
- 株価が下がる
また、金利が下がった時は積極的に資金を調達して経済が回りやすくなるため、
一般的には株価は上がる傾向になります。
この一般論から考えると、今回の利上げによって国内株式の株価は下がる可能性があるわけです。
金利上昇を織り込み済みの場合は影響が小さい可能性も
日銀の植田総裁は、当時から金利上昇について言及していたこともあり
株式市場が金利上昇をすでに織り込んでいる可能性があります。
その場合は必ずしも株価下落につながらない可能性もあります。
あらかじめ心構えをしておくことで、値動きに対して動揺しないようにしていきたいですね。
利上げによる為替への影響
次に「為替」への影響です。
為替相場は円高の傾向になる可能性あり
米ドルとの関係を例にとりたいと思いますが、
昨年2024年では、米国はインフレ対策の一つとして「利上げ」を繰り返していました。
それに対し日本は「マイナス金利」を続けていたため、金利差による「円安」が続いていました。
2024年の後半では米国は「利下げ」に転じ、日本は「利上げ」に転じたため
今後は金利差の縮小による「円高」の傾向になることが予想されます。
※金利に限らず、国際情勢によって為替相場は変化する可能性もあります
円高に転じた場合は、外国株式の損益が悪化する可能性あり
仮に「利上げ」によって「円高」が進んでいった場合は外国株式の円建て損益が悪化します。
ただし、ドルコスト平均法で投資をしている人にとっては
同じ金額で多く購入することができるようになるため、長期で見ると悪いことだけではありません。
短期で見ると、保有している外国株の評価額が下がることになりますので
一喜一憂せずに冷静に判断するようにしましょう。
私も2025年は不確定要素が多くある中での投資行動にはなりますが、
「NISA」と「iDeCo」は一定額で淡々と続けていく予定です。
まとめ:振り回されずに腰を据えて市場に居続けよう
今回は利上げによる株価と為替への影響について解説しました。
- 国内株式の株価は今後下落する可能性あり
- 国内の株式市場が金利上昇を織り込み済みの場合は影響が小さい可能性も
- 為替相場は円高の傾向になる可能性あり
- 円高に転じた場合は、外国株式の損益が悪化する可能性あり
今回の「利上げ」によって株価が大きく動くかもしれませんし、
意外と値動きは少ないかもしれません。
重要なのは、一時的な環境の変化によって振り回されずに市場に居続けることです。
資産運用では、売買を繰り返すほど長期的な利益が少なくなる傾向にあります。
過去にないような状況で不安に思うこともあると思いますが、長期での目線で動くようにしましょう。
私も不安に思うこともありますが、経済的自立に向けて歩みを止めないように
今回解説した内容を強く意識して資産運用を続けていきます。
それでは、一緒に頑張っていきましょう!
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